ボツにされた記事の方が面白い

ボツになった記事などを掲載してゐます。よその媒体の取材中に、ゆくりなく逢着する情報は、媒体にとっては無価値だからこそ、この紙幅で至福の記事になる…かもです。

Googleが「閉ざされた言語空間」を完成させる

 

偽りの、その真価を掌る人々

 これまで私たちはTVを「オールド・メディア」と指呼して、インターネットを歓迎してきた。すなはち昭和50年代に江藤淳が論壇に寄稿した「閉ざされた言語空間」その謂はゆる「東京裁判史観の洗脳」から、漸く解放されるときが来たのだと、にはかに吾人は期待したのでした。

 そのインターネットが、今やイコールGoogleになった。

 現にいま私たちの日常は、おそらくGoogleなしには成り立たなくなった。移動するにはGoogle Mapsが必要だし、会議もMeetであり、翻訳、文字起こし、データの共有、これら今や不可欠なサービスはすべてGoogleから無料で提供されて、いづれも痒い所に手が届く。またその利便性によって、すでに新たな事業も起こってゐる。かうしてGoogleアプリが社会の標準アプリになったとき、もしGoogleアカウントを失ふなどして、あなたが恒久的に一切Googleアプリを使へなくなったらどうなるか。きっとあなたは誰とも仕事を共有できなくなって、およそ社会から孤立するだらう。これによって私たちの暮らしは、もはや「Googleなしには成り立たない」状態になりつゝある。

 そして何か知りたいことがあるとき、私たちは「ググる」。

 実はGoogleの検索エンジンで検索した検索結果には「Googleにとって都合が悪い」ことは表示されない。

 たとへば、Googleが運営するYouTubeにポストした動画は、それがGoogleにとって不都合な内容であると、そのチャンネルが削除される(謂はゆるbanされる*1)。これは上にリンクした動画で詳しく示した通りです。ないしは "shadow banning" といって、検索した者にブラウジングされないやうにする。とりわけニコニコ動画に投稿された動画など、Googleの意思で削除できない動画は、この "shadow banning" をされる。すると、およそウェブ上に表示されるものは、Googleにとって都合の好いものだといふことが分かる。

 ニコニコ動画は令和6年6月にサイバー攻撃によってアクセスができなくなりました。このとき二ヶ月に亘って復旧できませんでしたが、国法は彼らを保護することができなかった。それは暴力でもなければ、相手も判然しない攻撃だった。また私たちはGoogleのプラットフォームを利用するために、漫然と運転免許証の画像や銀行の口座番号を彼らに教へてゐる。ニコニコ動画と同様に、もし私たちが被害者になったときに、私たちを守ってくれる国法はない。

 そしてまた何か知りたいことがあるとき、私たちは「ググる」。このとき彼らのAIも、親切に手前勝手な回答をあなたにするだらう。他の検索エンジンは私たちの目路にない。かゝる独占状態、一極化、それが何を招来するか。

 期待したやうな奇跡が起きるわけがなかった。それは「閉ざされた言語空間」を更に上級な言論封殺へと進化させた。すなはち今までローカルだった言論統制がグローバルになった。それはスポイルされた私たちの目には苛烈に映るだらう。このとき「情報を個人が配信する時代になった」からといって言論の自由が許されるわけがなかった。あなたは無邪気だから不偏不党を信じるかもしれない。けれども私たちの祖父たちが戦った仇は、さやうなことを絶対に許しはしない。人々の情報源であるはずのインターネットを、彼らは「オールド・メディア」よりも更に高次元に人々を統率する道具に変へた。下に示した絵図のやうに、それは大衆を陥れる巨大な器だった。この器はまた狡猾にも、玉石混淆を装ふ。たゞし彼らの独占状態を、すゝんで許してゐるのは私たち自身だ。だって皆がその自覚を以てこれを警戒すれば、かゝる一極構造にはならないのですから。

 でも「たとへばニコニコ動画から配信しても、世論への影響力が限定的だ」とYouTuberたちは言ふだらう。さうして器用に左右に両翼を広げて、この巨大な器は私たちを落とし込んでゐるではないか。すなはちYouTubeに動画をポストすればするほど、この巨大な器のやうな生物を私たちは育てることになる。あとでお示しするやうに、グローバリストは実際かういうふものを昔から作りたがってゐた。それでも私たちは、すゝんで彼らの餌食になるつもりか。

 さて、この「偽り」の壺の中に落ちるとどうなるのか。このなかでは人々はおのれが生きてゐる世界が、当然これからdisorder(無秩序)になってゆくと確信するに至る。およそ不安に陥った者はdocile(従順)になる。これは人類の歴史のなかで、たとへば常に無法末法の状態にあったシナの民衆が秩序を渇望し、必ず強権、すなはち暴君を待望したのと同様だ。このとき人々には盲亀浮木さながら、その強権の政策や、彼が提供するサービスが実際以上に魅力的に感じられるだらう。だから皆がこれを懐疑することなく嬉々として支持し利用する「消費する奴隷」になる。さやうにグローバリストが皆の株主になれば国は豊かにならない。慢性的なdepression(不況)になる。国が貧しくなれば己も貧しくなる。だから丁度YouTuberたちが僅かな広告所得を当てにして、そのアルゴリズムに従諛するやうに、皆は僅かな所得を当てにしてその縋りついたグローバリストに奉仕するやうになる。すなはち何ひとつ国益にならない。それが更なる不況を招き、この三つの "d" すなはち disorder, docile, depression の運動を繰り返す。いま実際さうなってゐるではないか。

 この「偽り」といふもの、その効果については意外、古事記に詳し。

 

禍ひ、その正体を記したるは古事記のみ

 それは「良いことでも悪いことでもマコト(真実)だけがひとを生かす」といふことであり、換言すれば、耳に心地よいことでも悪いことでも、偽りを信じれば、それは必ず滅する。古事記が示すのはその道理でございます。

 この頃は謂はゆる「啓発本」がよく売れるさうですが、漢籍の「塞翁が馬」などは、謂はゞばその元祖でせうか。かゝる「啓発」とは、たとへば水が半分入ってゐるコップを見たときに「半分しか入ってない」と思ふ人と「半分も入ってる」と思ふ人とではその後の人生が違ってくる、といふ類のものです。同じ古典でも古事記にはさやうな「啓発」や、今日ヒューニング等と呼ばれる「考へ方」の類はひとつも書かれてゐない。そのかはりに古事記はひとへにマコトを私たちに提示します。

 古事記が全編に亘って提示してゐるそのマコトのひとつは、好いことがあれば、きっと次に悪いことがある、そしてその悪いことも──夜が来なければ朝が来ないやうに──次に起きる好いことの、必ずきっかけになるといふことです。

 たとへば天照大御神がお生まれになりまして、ことの他おめでたいと思ってをりますと、次にスサノヲのミコトがお生まれになる。スサノヲの命はたいへんな狼藉をいたしましたので、お姉さまは天の石屋戸にお隠れになります。それで世界中が真っ暗闇になる。そのスサノヲの命も高天原を追はれますと、今度はヤマタヲロチを退治なさったり、色々な木種コダネを植ゑなさって国土を豊かにしたりと、かけがへのない好いことをなさいました。そのスサノヲの命の荒んだお心が穏やかになったのは、ある土地にたどり着いたからでした。スサノヲの命はそのあたりの景色をご覧になって「こゝに来まして、わが心スガスガし」と詔りたまひ、ヤマタヲロチから救ったクシナダ姫と一緒にいつまでもそこで暮らしたいと思し召されたのでした。スガスガしいから、それ以来その地方は「須賀」といふ地名になりました。

 外国の物語であれば例外なく、かういふ際の「改心」のきっかけを神勅や恩寵だとひとに説き、これを以て布教しますが、古事記にはさやうな造説ツクリゴトはひとつも書いてありません。それが古事記のマコト(真実)なのです。偉い先生や名著との出逢ひよりも、旅が人生をすっかり変へてくれることって実際にあります。同様の序破急が状況を変へてフルコトブミ(古事記)では次々に起きますので、くり返し読む読み手には次第に何か名状し難い、物の道理のやうなものが見えてくるやうです。そこには大陸から伝はった陰陽道や天理天道のやうな、理性で説かれた説ではとても説明がつかない、人智を超えた不思議なことが沢山があります。次第に古事記の読み手にはそれが分かってきますので、現実と対峙した際に「きっと次はかうなるぞ」と、次の展開をある程度予測できるやうになる。だからそれがときに厳しい現実であっても、マコトほど頼りになるものはないのです。「考へ方」を変へたところで、コップの水はいっぱいになりません。きちんと現実を見られるひとには、そのやうな「お慰め」は、かへって正しい判断を妨げる邪魔になるでせう。

 

昔こんなことがあった

 先の大戦後、占領下で発禁になった図書に、こんなことが書いてあります。発禁にされた故に「これが本件と何の関係があるのだ」と、今日の私たちは思ふ。

言論界の猶太の勢力

 世界に於ける國際通信事業の先駆者は、何といつても、あの獨逸生れの英國への歸化の猶太人ポール・ユリウス・ド・ロイテル男爵の創立したロイテル(Reuters)通信社であらう。この通信社は隨つて今でも、猶太人のためには決して不利な情報を供給しないばかりか、色々と、その利益に反する又は主義に反する國々のニュースには様々の作爲やデマを製造するに躊躇しない。これは日支事變に對する彼等の報道に徴してもあまりにその態度が明瞭である。その他、米國のアッソシェーテット・プレス(APと略稱する聯合通信社)、佛國のアヴアス通信社、米のユーナイテッド・プレス(UPと略稱)等、孰れも世界第一流の通信社だが悉く猶太系統のみである。

 英國のタイムス紙、デーリー・テレグラフ紙、モーニング・ポスト紙、デーリー・メール紙、デーリー・エキスプレス紙、デーリー・ヘラルド紙、マンチェスタ・ガーデヤン紙等あらゆる主要な 英国の新聞紙は悉く猶太人の經營である。

 フランスでは左、右兩翼の新聞を含めた知名の新聞の一切が皆な猶太人の經營である。それら幹部の記者も同じく猶太人のみである。これら佛國新聞紙は啻に猶太財閥の息が掛つてゐるばかりか、フラン・マソンの魔手さへものびてゐるのである。隨つてその論文とか記事とかは必ずしも正鵠を期し得られない場合がある。右翼といふも左翼といふも、表面だけのことで、内質は大した相違はないのであつて、便宜上、さういふジェスチャーを行つてゐるに過ぎない。

筈見一郎 著『猶太禍の世界』p107|国立国会図書館デジタルコレクション *2

 

 この発禁された本には、さらにこんなことが書いてあります。これはある会議における宣言を引用した一文ですので、話し手の主観で、すはなち私たちと彼らを彼我の関係で書いてあります。

 彼等は祖國の傳統的な観念や宗教などをコズモポリタニズムですっかり忘れ去つてしまふ。 かくして、我等猶太人は、社會一切の勢力を掌握するため、特別な形式の中央集権を創設し、我等に不満を懐いたり、反抗したりする非猶太人をいつどこでも膺懲することが出來る偉大な専制政治を布き得るに至るだらう。民衆の輿論に封しては、態と各方面から彼等の迷ふやうな色々の反對論を主張して、「政治問題に就いては別に意見らしいものを持たない方がよい」と思ふ位に輿論を迷路に立たせるがよい。

 猶太人に依って、世界が統一された暁には、非猶太人にとつて「自由」も、「権利」もなくなることは當り前である。我等は絶對的盲従を强いるため、恐怖政治を布かせねばならぬ。勞働者には、勞働の增加を要求させるが、勞働者は却つてそれがために大損をすることになる。なぜなれば、我等猶太人は同時に、生活必需品や日用品の價格を騰貴させてやるからである。

筈見一郎 著『猶太禍の世界』p153|国立国会図書館デジタルコレクション

 

 この「ひとに損をさせることが、すなはち己の儲けになる」といふ発想、これはまさしく私たちのオヤの教へである「三方よし」とは対蹠なのでした。

 彼らはこの宣言そのものが「後で捏造されたものだ」と言ってゐますが、小欄はその真贋を問うてゐるのでありません。この書物が現に進駐軍によって発禁にされたといふことを、すなはち仮にこれが偽物だとしても、私たちのオヤたちには成行を警戒する注意力があったといふことを、こゝに確認してゐます。この図書のなかで著者が示した一級の資料とそのサマリーは、未来のことを悉く正確に言ひ当てゝゐることが、その未来に生きてゐる私たちには分かる。それが曰く「捏造」であれば、彼が予知能力を持ってゐたことになる。もちろん彼は霊感でなく、彼自身の足と目を使った取材を通じて未来を予知したのでした。

 では私たちのオヤたちは何を警戒したのか。

 たとへば今ウイグル人といふ民族が滅亡せむとしてゐます。

 彼らはシルクロードとして知られる東西交易の要衝に住まひ、次第に漢人の寇に遭って今日に至ってゐます。はじめ漢人は行商の便宜を図るなどしてウイグル人に接近し、顔見知りになり、そして共に生活するやうになった。これを警戒する者が現れても、ウイグル人たちは彼を嘲笑して誰も耳を貸さなくなった。かつてハワイ王国もエチオピア王国も何とか王国も、皆さうして滅亡したのでした。今では彼らは自決権を失ひ、主人のために珈琲豆を摘むためのロボットでしかない。

 わが国もまた、幾度かまったく同様の寇に遭ひましたが、これを私たちのオヤたちは悉く払ひ除け、皇國スメラミクニを防衛した。刀伊の入寇や元寇の後にも、スペインのフィリップ王がフィリピンにさうしたのと同様にわが国に寇を企てた。このとき関白秀吉はルソンの邦人からの通報や、長崎の宣教師たちによる土地取得問題を通じてフィリップ王の意図を知り、直ちに宣教師たちを国外へ追放した。そして関白はフィリップ王に対して、あべこべにルソンへの侵攻を仄めかした。彼は宣教師たちの復命から、日本が全欧州の鉄砲よりも多くの銃器を製造、保有してゐることなど、わが国の国力を知って日本侵略を断念した。*3

 また徳川将軍も謂はゆる鎖国をした。鎖国といってこれは外国が徳川幕府の政策を指呼したものでしたが、仮に小国が鎖国政策を採らむとしても、それは国際社会が許してくれない。現に幕末の徳川幕府にはこれを継続することが出来なくなった。わが国の鎖国の発端は、金銀の国外流失でした。謂はゆるギヤマンなどが珍重されて、これを扱ふと儲けがぼろいから、商家が実は二束三文のガラス製品を、外人から小判などの日本の通貨との交換で買ひ求めた。これが通貨危機を招いたことは、新井白石 著の『折たく柴の記』にも詳し。上に挙げた滅亡した国々もまた、自国の通貨を失ふことで滅亡に至った。

 幕末に黒船がわが近海に頻々と現れたころ、わが世論に海防論が起こりました。これは現状を維持したかった幕府ではなく、民草から起こったことでございます。今の私たちにこれが出来ますか。

R8.1.10  ミソラ通信

 

▼関連書籍

古事記 全巻/注釈・本文(訓読)古事記伝 |旅先でもこれ一冊で足りて、児童の素読用にも適した体裁の、みんなの古事記。口語対訳として『古事記物語』も併載 ミソラ通信 www.amazon.co.jp

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*1 くだんの動画のポストを受けて、YouTubeがそのチャンネルをbanする基準を文字にすると次のやうになるでせうか。

「モーガン氏の発言は彼の私見であり、およそ視聴者には根拠が感じられないからセーフ」

たゞし、

「女性スペースを守る会の発言は国会答弁であり、これを併載することでモーガン氏曰くの根拠になるからアウト」

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▼参考人の証言ノーカット版

 上のノーカット版はのショート動画をポストする二年前にポストしましたが、これは他の動画に比して視聴者数がぜんぜん伸びなかった。それは僅か26で止まりましたので「けだし shadow banning か」と訝った。それでこれをショート動画に改編してポストしたところ、すぐにbanされた次第です。

 こゝで引用した国会での証言は、参議院インターネット審議中継の膨大なストレイジのなかにアクセスしなければ視聴できません。また公開期間は3年と決まってゐる。たゞしそれがYouTube動画であれば、永年に亘って大衆にブラウジングされます。これは本法を推進する側にとっては、きはめて不都合になる。

 

*2 筈見一郎 著『猶太禍の世界』国立国会図書館デジタルコレクション

https://dl.ndl.go.jp/pid/1459178

 

*3 奈良静馬 著『西班牙古文書を通じて見たる日本と比律賓』国立国会図書館デジタルコレクション

https://dl.ndl.go.jp/pid/1041580

本書もまた、本文に挙げました図書同様に占領中に発禁にされた図書です。発禁といふのは発行を禁じることですから、これは少し控へめな表現で、実際には焚書であり、すはなちGHQは対象の図書を、図書館などの公的施設も含めて、すでに購入した者からも回収して廃棄処分し、世の中に存在しない状態にしました。今日「GHQ焚書図書」といはれてゐます。

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