ボツにされた記事の方が面白い

ボツになった記事などを掲載してゐます。よその媒体の取材中に、ゆくりなく逢着する情報は、媒体にとっては無価値だからこそ、この紙幅で至福の記事になる…かもです。

戦後いちばん米国が嫌がることをした日本の総理大臣は誰か|多極化への突破口と、羊をめぐる内情

 ウクライナ戦争が開戦して間もなく、ウクライナのゼレンスキー大統領は米国議会を通じて「リメンバー・パールハーバー!」とアメリカの国民に訴へました。この動画はその模様と、その背景を皆さんにお見せします。


 ワシントンDCの政府がいちばん望んでゐることは何かといへば、それはもちろん米国一強の時代を今後も維持することでございます*1

 安倍総理は「日本外交の基軸は日米同盟」と、これまでの政府の方針を安倍内閣が継承してゐることを、ことあるごとに強調しました。亦これまでにも増して米国から防衛装備品をたくさん購入する約束をした。それにトランプ大統領が「the deep state」と指呼するところが所望する移民受け入れを、曰く「外国人技能実習生」といふ呼称を以て受け入れもした(この「移民受け入れ」の背景にある少子化をわが国に生じさせたのもまた彼らの戦後体制レジームだった*2)。同時に安倍総理はその「the deep state」が最も嫌がることをなさった。

 すなはちプーチン大統領と、安倍さんは昵懇になった。日露間の懸案である領土問題がすっかり解消されて、両国が国交を結べば、必ず世界は一極構造を維持できなくなって多極化します。これは両国の国力と国際社会での地位と影響力を考へれば自明だ。米国一強の時代を終はらせない限りは何をしても、安倍さんの宿願であった「戦後レジームからの脱却」は実現しません。これもまた自明のことだった。それは安倍さんが「戦後レジーム」トランプさんが「the deep state」と指呼したものが望む、曰く「日米同盟」にまったく反することでもありました。

 だから、この安倍さんとプーチンさんとの関係を感情的に嫌悪する、安倍さんの同僚議員は少なくなかった。

 先日(R7.11.7)の衆院予算委員会で自民党の平将明前デジタル相が、要するに参政党はロシアの工作によって先の参院選で躍進したと述べましたが、この平議員などもその一人でした。それに今度入閣した青山繁晴環境副大臣も、以前彼のYouTubeチャンネルで「安倍さんにプーチン大統領と交際しないよう諫言した」と述べてゐます。彼はハワイの米軍インド太平洋軍司令部に定期的に通ってをられ、米軍の中枢と常に連絡がとれる状態にある稀有なひとです。その青山さんを、高市さんは外務・防衛ではなく、環境副大臣にした。

 ウクライナ戦争が開戦して間もない頃でしたが、この折に他にも青山さんは次のやうに発言なさってゐます。たとへば曰く「もはやプーチン大統領は正気ではなく、Yesマンの他は排除してしまうので彼に適切な助言をする者はあの独裁者の近辺にはいない」「すでにロシアは敗色が濃く、博物館に展示してあるT34の他には前線に供給し得る戦車がない」「このウクライナ侵攻で、必ずロシアという国はなくなる」

 こゝに彼の発言を挙げたのは、これらの見解は体制側の希望的観測であり──したがって他所でも私たちは同様の見解を多く聴いたことであり──亦それらがいづれもデマだったことが今になってみれば判るからでございます。たゞしこの二人には、ぜんぜん悪意はない。かゝる世界の一極構造に日本が参与すること、換言すれば現状の日米同盟を維持することが日本の国益に資すると、よもや彼らは疑ってをられない。さう思念してゐるからこそ、くだんの言動をなさるのですから、謂はゞ「善意のくゞつ」といへます。その青山さんなどは自由民主党の党員の獲得数で他の議員を引き離し、その首位をこゝ数年維持してゐます。彼のYouTubeチャンネルの登録者数も、一政治家としては類例のない、天文学的な数字になってゐます。さやうに私たちはおのれが自立した状態を失ひ、したがって知性が不要になったとき、己の牧者を追ひ求める柔弱な大衆になるのです。

R7.12.17  ミソラ通信

 

*1 謂はゆる李承晩ラインが、これに先立つマッカーサー・ラインに指嗾されて引かれたやうに、日露間の北方領土問題もまた米国がつくった。

参議院|旧ソビエト連邦による北方四島占領に関する質問主意書 ↓

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/213/syuh/s213030.htm

また「尖閣諸島に公務員を常駐させる」と公約して発足した第二次安倍内閣は、これをやめると約束するまで、ホワイトハウスによって総理とオバマ大統領との会談が拒まれた。これらはいづれも日本とその周辺国とのあひだに紛争の種を植ゑつけ、国防が不能である日本が将来に亘って米国を頼り続ける状況(日本が米国製の防衛装備品を言ひ値で買ひ、日本の税金で米軍を日本に常駐させる状況)をつくってゐる。

 

*2 小欄がポストした、少子化の原因を明示する資料をまとめた動画です↓