浦島太郎の結末ではないけれど「気が注いたら、すっかり何もかもが変はってゐた」なんてことが実際あるやうでございます。やはり、
「決して開けてはいけません」
などと言はれると、開けてしまふのが人情なのでせうか。
けふ3月10日は陸軍記念日といふことで、この記事をポストいたしました次第です。
近代史に謂はゆる総力戦、これは高杉晋作の奇兵隊に始まり、わが国は来たる国難に処すべく御維新で国民皆兵となりました。その後やはり強国ロシヤとの対決が避けられざる成行となりまして、こゝに文字どほり全国民が全国力をふり搾って臨む総力戦と相ひなりました。それが日露戦争でした。その決勝戦となった奉天会戦の勝利を祝して、本日が記念日に定められたのでしたが、この日を今や、私たちは祝はずに、かうして何もなかったかのやうに過ごしてをります。
これは何もかもが、すっかり変はってしまった、世代の断絶を実感させる事実でございます。だから今日が何の日か、最早それさへ誰も知らない。まるで他国のことのやうだ。よく考へてみれば、これは物凄いことです。
と申しましても、
「いま帝国陸軍は存在しないのだから、記念日といっても祝ひやうがあるまい」
と仰るひともあるでせう。同様に、
「陸上自衛隊は米軍がつくった」
といふ人もあるし、多くのひとが実際さう信じてゐる。
「帝国海軍は米軍にも尊敬された優れた組織だったから、米軍はこれを残して海上自衛隊にした。でも帝国陸軍は、日中戦争などを企てた拙劣な組織だったから、米軍はこれを嫌ってすっかり解体した」
さやうな説を今も吹聴してゐる識者がごまんとゐる。
もちろん彼らが「識者」でゐられるのは、かゝる僻事を皆が支持してゐるからでした。
現に上の説を折に触れて述べる自民党のある政治家などは、党員獲得数で毎年党内一位を誇ってをられますし、彼のYouTubeチャンネルの登録者数も現在68万人と表示されてゐます。さだめしこの青山繁晴さんと仰る代議士は、国民から大衆へと降格した私たちにとって、アメリカナイズされた白洲次郎のやうに「宗主国に物申す」英傑なのかもしれない。
それにしても彼らの説は、わが祖父たちに対する甚だしい倨侮であった。
実は米軍は一度も、帝国陸軍に勝利できなかった。
この事実を塗沫するために、さやうに彼らは皆を蠱惑するのでした。では米軍はどうやって皇軍を無条件降伏させたのか。換言すれば、その実態を塗沫するために彼らの主人は籠絡するのであった。*1
いかに彼らが親米派とはいへ、これは手前勝手な僻事ではないか。何となれば、当時の米軍は、侍の子孫を指導して army を建軍させるだけの実力を──すなはち操典の知見を──有してをらなかったからです。では陸上自衛隊はどうして成ったのか。
何もないところから実力組織が産まれるものか。
小欄が頃日ポストいたしましたこの動画が、はしなくも吾人と以上の実態を確認することになったやうです。
たゞし今更さやうなことを確認してみても、おそらく今日の私たちには、さっぱり何のことだか分からないのでした。それだけ筋書きが書き換へられてしまった。だから私たちは薄笑をして、祖父母たちが私たちのために成した成果を狐疑する。かゝる書き換へられた価値観では、世界中の誰も幸せになれないし、誰も幸せにできない。たとへば、いま私たちの多くは、上述のやうに支那事変を曰く「日中戦争」と呼称します。
この呼称によって、まづ私たちは売国奴を見分けることができる。わが祖父たちは「日中戦争」なぞといふ戦争には召されてゐません。この「日中戦争」なる嘘を許してしまふと、将来わが国に対する様々な誣告が可能になり、日本は永久にワシントンDCや北京の政府のATMになってしまふでせう。
支那事変を「日中戦争」と指呼する者は「日本と中国が戦争をした」すなはち「日本は中国で侵略戦争をした」と、この呼称を以て言ってゐる。これは各々の、見解や解釈の相違ではありません。
中国は往時わが国の盟邦だった。
その盟邦と日本が、いつの間にか戦争したことになってゐる。あるいは「その盟邦だった中国は日本の傀儡だった」ことになってゐる。いったい何の根拠を以てか。それは実は「戦勝国がそう言っているからだ」といふ、それだけの根拠を以てであった。
中国の汪精衛主席は昭和17年の師走に同国の首班として来朝され、宮中にも参入なさってゐます。それたけ実態のある政府だった。いったい今日の私たちは畏き辺りを何だと思ってゐるのか。本音では何とも思ってゐないから、この汪主席の参内を以て「日中戦争」といふ呼称が、まったくの嘘だといふことが分からない。
すはなち中国には日本と共に興亜の新秩序建設(グローバリストのルールを攘ふこと)を志す志士がゐる。汪さんの参朝は永遠に、その事実をわが国の歴史に記したのでした。その日中両国民の協働を忌み嫌ひ、恐れる者が、かうして今も私たちの離反を図る。
およそ「戦争」とは国家間の干戈をいふのでございます。わが祖父たちが支那事変で膺懲の対象とした蒋介石の党は政府ではない。それは今日のISILのやうな自称「政府」でした。あるいはタリバンのやうなテロ組織でした。ないしは「南ベトナム政府」のやうに、実態のない人形に服を着せて銃を持たせたのでした。これらの党はいづれもワシントンDCの政府が「介入」の口実を設ける目的で、地域の情勢を不安定にするために深く関与して組織されました。いはゞ蒋介石の党はその元祖だった。あの成功体験を彼は今日にも及ぼしてゐるのでした。だから彼は「よく飼犬に噛まれる主人」でもあった。
蒋介石の党が政府でない証は、たとへば自ら黄河決壊事件などを引き起こして、彼らの同胞であるの支那の人々を何十万人も虐殺したことです。いったい国民を虐殺する匪賊を「政府」と呼べるでせうか。
中国政府からの要請に基づいた、これに対する膺懲を「日中戦争」と指呼すること、これほど売国精神の逞しさを示す例はございません。
では帝国陸軍はなぜ大陸に出張る必要があったのか。およそ真実は晦渋さとは無縁であり、したがってそれは忽ちのうちに示すことができる。これも小欄がポストいたしました下の動画が端的にお示しいたします。
でも米国に指導された戦後体制、これに上意下達されたかゝる「陸軍悪玉論」を、かうして今も念仏のやうに熱心に唱へる既述の識者たちには、実はさほど罪はなかった。名を売ることを以て「大成」とするとき、大成したければ、どうしても私たちは曲学阿世の徒になる必要がある。すなはちそれは、いつの時代にも付いて回る下駄の雪でしかなかった。その真の国難は、先に申したやうに「帝国海軍はアメリカの軍人に高く評価された」要するに「アメリカ人に褒められた」と言って嬉々としてゐる権威主義の私たちにあった。なぜならその薄弱な性質ゆゑに誰かに籠絡され、それが様々な判断に波及するからでございます。
「男のくせに諂ふな」
実は本件は、この本音の一言につきるやうです。
国学では政治を顕事と申します。すなはち私たち皆が変はらなければ、何も変はらないのでございます。*2
R8.310 ミソラ通信
*1 はじめから彼らは無辜を狙ってゐた。現に米軍は文字通り無敵であった帝国陸軍との会戦を避けて、専ら民間人を攻撃した。だからこそ御聖断が下ったのでした。もし皆が信じてゐるやうに、わが祖父たちが米軍との戦闘に敗北したのなら、戦後になって620万人もの復員兵が戦地から引き上げてきたりはしない。軍隊がそっくりそのまゝ祖国に引き上げてきたりはしない。資源を多く消費する海戦では、米軍は敗北しても構はずに、相手の「資源の枯渇」に期待して帝国海軍を毎日にやうに出動させたけれども、外地の帝国陸軍には決戦の機会がなかった。たとへば明号作戦でも米軍は仏印植民地政府を救援しなかった。すなはち皇軍は大東亜共栄圏をそっくり維持したまゝ降伏したのでした。わが祖父たちは米軍に敗れたのではなくて、大東亜共栄圏を防衛するために敷いた、己自身の長大な兵站に敗れた。大東亜共栄圏に仇なす勢力がある以上は兵站を維持し続ける必要がある。しかし無限の力なぞない。いづれ血液が巡らなくなって端の方から壊死がはじまる。もちろん米軍はかゝる壊死を見定めてからそこだけを攻撃する。さらに皇軍の主力が外地に出張ってゐる留守を狙って内地の民間人を攻撃する。
尚もガナルカナルの「転身」やアッツ島の「玉砕」は如何に、と尚も問ふひとがあるでせう。たとへば、この新聞記事
などは、上述の親米派による、謂はゞ「善意の認知戦」であり、すなはち人は「自分の主人が正しい」と、あくまで信じて戦ふことがあるのでした。亦それこそが彼の主人の望むところであった。かゝる信心を正気に戻すには、はじめから裏表のない心でものを説く必要がございます。するとそれはどうしても浩瀚な書物になる。そこで小欄ミソラ通信は下にリンクした図書を上梓いたしました。ご関心のある読者はご参照ください。
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*2 アラハニゴトとは何か↓